■ [ ・設計&施工会社選び ] について


設計図面が出来上がり、
いよいよ工務店を決める段階まできた。
建築家Aさんから工務店3社分の見積書と
会社案内のパンフレットを渡され、
それぞれの金額の根拠や
各社の特徴を細かく説明してもらった。



同じプランでも金額ってけっこう差が出るものなんだ。
見積書の書き方もめちゃくちゃ細かい会社や大まかな会社、
同じ部材でも会社によっては数十万と異なったりして、
見積書ひとつとっても仕事の仕方や得意分野が想像できたりする。

そういえば編集記事の取材でメーカー各社に「相見積もり」したときも、
各々金額違って出てきて見極めポイントとかまとめたなぁと思い出す。
でもいざ自分の家の見積書を目の前にすると、
怖気づくというか、数字が苦手というか。

いずれにしても見積り金額だけじゃ1社に決められないから、Aさんに質問攻撃。
現場はきれい?腕はいい?担当者の人柄は?得意不得意は?実績は?
建築家設計の家は慣れてる?など建築家としての客観的な意見を聞いてみる。

あれやこれやと1週間ほど検討した結果、
最終的には自然素材の扱いも得意なB工務店に依頼することに決まった。

そして顔合わせの日。
最初は和やかな雰囲気で雑談もしていたが、
やはり最後はわが家のプランの話で盛り上がる。

「床材なんですけど、カリンにしたらどうでしょうか?
レトロモダンのイメージに合うのでは?」と社長。
カリンといえば、現状プランのメープルよりも値段は高いはず。
ショップとか店舗系の床材、家具や楽器などに使われている無垢材らしい。
どうやら調達ルートがあるため
見積りと同額で変更できるからもしよければという社長のご好意によるものだった。

これはラッキー。これもご縁かな。
単純だけどB工務店にしてよかったと思える瞬間だった。


打合せルームに入った瞬間、机の上にある
家の模型に目が釘付けになった。
「まさかうちの?」「すごいすごい!」
平面だったものが立体的になるだけで、
こんなにリアリティが増すのか!
Aさんが「太陽の動きです」と言いながら
ペンライトを東から西へ動かし、


朝→昼→晩と家の中に光が差し込む様子を
見せてくれた。

1階の天井がトップライトになっているため、
光のシャワーを浴びながらキッチンに立てるという説明も、大きく納得。
更に模型の内部には、人間のミニチュアがもう暮らしているではないか!
「これって、私たち!?」
嬉しさあまり、ミニ施主をあっちこっち移動させてみる。
ミニ施主のおかげで、その空間のサイズや生活シーンなど想像力が掻き立てられる。
イメージが具体的になればなるほど、細部にわたるプラン調整がとんとんと進む。
そんな中、ふと、収納記事の打合せの際にライターさんが言ってたことを思い出した。

「今まで取材したセンターキッチンの家できちんと片付いていたところには、
必ずパントリーとクロゼットがありましたね」
キッチンまわりの細かいアイテムや食品を隠せるパントリー、寝室まで行かなくと
も家族の洋服や鞄を一時避難させられるクロゼット。
その2つの収納スペースこそ、片付くリビングの鍵だというのだ。我が家も即採用!

他に、キッチンやトイレの位置、2階のフリースペースなど微調整を
行っているうちに軽く3時間が経過した。

いつもこんな感じのノリで打合せは長時間に及ぶ。
新築物件を買ったならこの楽しい時間はなかっただろう。
ひとつの家を創り上げていく喜び、これぞ注文建築の醍醐味かな。



プラン打合せで議論になったのが、
リビングのポジショニングだ。
眺望をとるなら2階リビングがいいけど、
本当は地に足ついた1階リビングのほうが好き。
だって、重い買い物袋をキッチンに運んだり、
ゴミを出したりするのに階段を
昇り降りするのはどうも時間と
体力のロスな気がしてならない。

それに、リビングから庭にすぐ出られるという、
いわば大地とつながっている安定感が妙に落ち着く。
あとは、一軒家育ちのせいか知らないけど私は高所恐怖症なので、
高層マンションのテラスなど足がすくんで長時間いられないし、
崖の上に建っている家を取材したときなんてソワソワしちゃって
明らかに情緒不安定。

まあ、いろんな意味で1階のほうがベターかなぁと思いながらも、
お風呂も寝室も全部1階に固めちゃって2階は広々LDKのみ!という
開放感も捨てがたい・・・
それならいっそうのこと、1階リビング+3階ペントバルコニーでもいいんじゃない?
と結論はなかなかでない。

そんなリビング討論会の背景もあったが、最終的にAさんが提案してくれたのは
“仕掛けあり!遊び心あり!主役は1階”のプランだった。
まるで置き家具のようなキッチンをさりげなくリビングに配す。
そこからつながる中庭は、小高い外壁により近隣からの視線は完全に遮断される。
中庭には癒しの水盤。そして、庭に面して離れのような茶室風ゲストルームを。
外とつながる温泉宿風バスルーム。リビングと玄関をつなぐ土間・・・。

LDKもバスルームもプライバシーが確保されているので24時間カーテン無しで、
庭の緑と空の太陽を近くに感じられるというわけ。
悩みも吹き飛ぶ「1階が主役」の納得プランが、そこに生まれた。



建築依頼先の候補が3社に絞り込まれた。
A4ペライチの要望書をベースに『夢の家』
についてのプレゼン開始。
この後、早速プランをひいて概算見積もりを
出してくる会社もあれば、敷地調査にとりか
かる会社、作品集を見たり現場見学会はいけ
るがプラン作成以降は有料なので、という
ところもありフローは各社様々だ。

その間に私たちは相手の反応を見ながら、
設計者のセンスやキャラクター、企業ポリシーなど
いろんなことを感じ取るため全方位的にアンテナをはる。
『創造力があるか、提案力があるか』
『同じ言葉で語れるか、センスが通じ合うか』・・・・etc.
これから長いお付き合いになるので、
お互いに気持ちよく付き合っていけるかどうかが最重要。
言いたいことも言えない!
言いたいことが伝わらない!なんてストレス、ありえないから。

というわけで、いろいろ迷った挙句、最終的にパートナーに決めたのは
建築家のMさんだった。
実は、土地探しをぐるぐるしている時に、「いいなぁ、この家」って
見上げていたのがほぼ先生の作品だったわけ。
それに、何よりもMさんの人格や打合せの空気&温度が
私たちの体温にしっくり馴染んだ、と。
こうして人生初、建築家との家づくりが始まったのです。



うちの夫は、3歳から今日まで現在進行形の武道家です。
洗濯物干しにはデイリーで柔道着がぶらさがってるし、 部屋着は作務衣、名字も武士っぽいし、新撰組の近藤勇が愛用した虎徹っていう模造刀もなぜか持ってる。



いわば、日本人よりも日本が好きな外国人みたいな(ややこしい!?)
サムライ・ニッポン人だ。

そんな人なので、「オレが輸入住宅みたいな家から出てきたら笑うやろ。」と
本人も自分にふさわしい家がどんなものなのか、わかっているらしい。

なので、“古風なニッポン男児がしっくり落ち着ける家じゃないと”という不思議 な制約がかかった中で、家の要望をまとめていかなきゃいけないのが我が家特有の 事情だったりする。
そう、依頼先候補と打合せをするときに必要なのが“家の要望シート”。
私たちが依頼先に求めることや家のコンセプトなどを箇条書きにしてまとめた
A4ペライチ。

自分たちが好きなもの(国・色・ホテル・雑貨・素材・・・)、
希望する暮らしのシーン、
キッチンやバスなど空間別の要望、
構造や性能に関すること、
予算などなど・・・たくさんの夢と希望と条件がつまった1枚なのです。

事前にこうしてカタチにしておけば、最初にある程度家族の意見がまとまるし、
各社に話たことがバラバラ!なんて失敗もなければ、言い忘れも未然に防げちゃう。
おすすめのA4ペライチなのです。