■ [ 2006年04月 ] の記事一覧


埼玉の田舎にある実家は、
私が小さい時に、こだわり派の父親が
図面をひいて地元の工務店に建ててもらったらしい。

3人兄弟なので、互いに成長するとお決まりの子供部屋争奪問題が浮上するのだが、
その時もマメな父親が図面をひいて、一人一人に部屋を確保してくれた。

庭には異常に大きな木があって兄弟で木登りをしたり、
休日になるとゴルフネットをはって父親が素振りの練習をしていた。
家庭菜園コーナーではネギやらナスやらトマトやら収穫できたので、
キッチンに立つ母に「お庭からお野菜とってきて~」
と頼まれると泥のついた野菜をわっせわっせと運んだ記憶もある。

絵に描いたような『庭つき一戸建てのマイホーム世代』。

夫も私も場所は違えど同じような環境で育ったので、
賃貸マンションでの暮らしは、なんとなく違和感があり、
地に足がついていないなぁという感じがしていた。

そんなわけで「家は、やっぱり広い庭のある一戸建てだよね」と、
ベースにある居住空間の価値観が一緒だったため、話は早い。

「早く家建てたいね」
「いい土地ないかなぁ」
というわけで、土地探しを始めることになる。
「こういう時、地主はいいよなぁ」と意味もなく横目で地主の知人をうらやみなが ら・・・。

さあ、『土地なしジャパン』の厳しい現実との戦いだ!


埼玉育ちで大学&就職は東京。
『That's関東人』の私が、2004年4月、西へ行くことになった。
そう、結婚とはそういう転機を
伴うものなのだ。

仲良い友達も夫の転勤でアメリカやら台湾やらと連れ添っているので、
「関西=近いな」という軽いキモチで
快諾した私。

そのうえ、「関西=オモロそう」とお笑い芸人風の人たちに囲まれる職場や
「関西=オイシそう」とグルメを満喫できる暮らしを勝手に妄想しては、
奇妙な期待を胸に抱いていた。
(なんてポジティブ!)

夫の職場は神戸方面、私の職場は大阪方面。
ちょうど真ん中あたりの夙川・苦楽園で賃貸マンションを見つけ暮らすことになる が、
これがけっこう心地のよい場所でして・・・。

引越しの日、ちょうど夙川の桜が満開をむかえ、
部屋の窓をあけて荷物を広げていると桜吹雪がしゃらしゃら~って入ってきたりし て、
なんとも風流じゃない?
ドラマのワンシーンかと思うほどベタだが、好印象。

こうして機嫌良く私の関西ライフが始まったわけだが、
1ヶ月もたたないうちに関西に永住するという流れになり、
じゃあ、家、どうする?という展開に!



旅行先や取材先で、フォトジェニックな空間に出会うとむしょうに嬉しくなる。
「切り取って持ち帰りたい!」
という衝動にかられカメラ小僧のように
シャッターを切る。

いわゆる駅のホームでカメラをかまえている電車オタクさんたちと、
おそらくキモチは一緒のはずだ。

昔から多少の自覚症状はあったが、
この仕事に就いてから興味関心のベクトルは
どんどんマニアックなほうへ向かっていき、
今や空間だけにとどまらず水栓金具のシルエットや木の材質などのパーツにも及ぶ 。
むしろ、家にまつわるすべてのものからアートを感じる、という症状・・・。

これはもう、『雑貨好きなんですー』という風に女子らしく言ってみて、
かわいいジャンルで片付けるなんておこがましい・・・
もはや家オタク=職業病である。

まあ、気がつけば10年も住宅専門誌の編集の仕事をしているので
病気になっても仕方がないのかもね、と。

特に海外に行くと、かなりヤバイ。
ホテルの造りに釘付けになるのです。


先日アンコールワットを見に
カンボジアに行ったときも、
遺跡巡りとホテル巡りの比重が逆転する
ありさま。
気がつけば夢中になって街中のホテル撮影を行いました。
それは、「今、シェムリアップのホテルがすごい」なんて記事が作れそうなほどの ロケ班ぶり。

もちろん遺跡もサイコーに良かったんだけど。
遺跡だって偉大な建築物なのですから。

結論。建築物は中毒になる危険アリ。