15★出国前ギリギリセーフ


そうと決まれば、善は急げ。いざ契約!
というか明後日の朝には夫が旅立ってしまい、
2週間は帰ってこない!という超ギリギリセーフの状況だったので、
めちゃめちゃ大急ぎで契約の手続きを踏んだ。
分厚い書類はウワサどおりの代物で、目を通さなきゃいけない大事な部分は、
わざとか?と思うくらい目が痛くなる文字の大きさ。イジメか?と思うほどの量。

それでも、弱音を吐いている場合じゃないのだ。
この峠を越えなきゃ、この土地は手に入らないのですから。
仕事帰りに不動産屋に立ち寄り、といっても残念ながらOLじゃないので
6時に仕事が終わるわけがなく、夫と落ち合えたのはすでに夜の9時をまわっていた。
当然ながら閉店後の店内はシーンと静まり返って、商談ルームのみ明かりがついて いた。

「ヤミ取引みたいですね」
異様な雰囲気にビビリながらも、私たちの声だけが鳴り響く店内で、
深夜までかかってマジメな取引の契約が行われた。

ビバ、契約成立。
そして夫は旅立っていった。