31★マホガニー?パリサンダー?


「床や建具の塗料の色を決めたいので、
施工現場に来てください」
呼び出しがかかったので行ってみると、
床、壁、天井、建具などに使われる
ムク材の切れ端と、
2種類のメーカーのそれぞれ違う色
(マホガニーやパリサンダーなど)の
塗料がずらりと準備されていた。
まるで、なんかの実験が始まるみたいな状況だ。

「まずはマホガニーからいきましょうか」
塗装屋さんが塗料をカリンや米杉などに塗っていく。
「じゃ、乾かして」
ドライヤーで勢いよく乾かす。
「微妙に赤味が強いかな。次はパリサンダー塗ってみて」
最初からまた同じ手順で繰り返す。
「うーん、この中間くらいの色がちょうどいいかな。
じゃあ、マホガニとパリサンダー混ぜてみようか」
そしてまた同じことの繰り返し。みんなが「YES」と言う色が出るまでとにかく必死。
根気のいる作業だ。
立ちっぱなしで気がつけば3時間以上たっていた。

やわらかい材と硬い材では塗料の吸収力も違うから、
同じ塗料でも乾いたときには違って見える。
だから、仕上がりイメージでなるべく近い色が出るような塗料を探し、
なければ調合する。
これぞ職人の世界。
なんと、その日は全員が納得する色が出ずタイムオーバー。
でも、イメージカラーの共有はできたので、
次回までにその色を作ってきてくれることになった。
誰も、妥協しない。
そんな世界観なのです。