つくってはいけない、こんな家

家相のセミナーや講演会などでは、毎回いろいろなご質問をいただきます。「どんな家をつくればよいのでしょうか?」もそのひとつ。また逆に、「つくってはいけないのはどんな家ですか?」というご質問も多いのです。
「つくってはいけない家」とはどんな家か。これは、なかなか一口ではお答えできないというのが正直なところです。玄関、水回り、階段など、家づくりにおけるそれぞれの場所ごとの注意点は、以前もお話をしたとおりですが、家相というのは、家全体を見て良し悪しを判断するものです。部分的にはよくないところがあっても、トータルではバランスのとれた家になることもありますし、敷地や周辺の状況も一軒一軒違いますからね。
しかし、はっきりとお答えできることがひとつあります。それは、「人の意見に振り回されてつくる家」。私はこれこそ、つくってはいけない家だと考えています。もちろん、ここでいう「人の意見」とは、家づくりの経験も知識もない素人の意見です。そんな家は誰もつくらないだろうと思われるでしょうが、これが意外に多いものなのです。
家づくりは、基本的に他人の意見に左右されやすいものです。身内に資金を援助してもらったり、会社で融資を受けたりすることも多く、お金を出す側にしてみれば、つい口も出したくなってしまうのでしょう。私のところに相談にみえる方の中にも、自分は気にしていなかったが、人に言われて家相が気になり始めたとか、周囲の意見を聞きすぎて、間取りや設備仕様が決まらないという方が少なくありません。時には、施主は相談者なのか親御さんなのか、疑問に思ってしまうような場合もあります。
以前、家相学は、家窓学でもお話をしましたが、家づくりのプロであっても、自らの人生経験や生活体験で、提案力に差がついてしまうものです。親や兄弟、会社の先輩や友人であっても、言葉は悪いですが、所詮家づくりでは素人です。素人の意見をそのまま取り入れたとなれば、せっかくの家づくりも、後で後悔することになりかねません。
昔から、「家づくりは3度行わないと満足するものは出来ない」と言われています。私も何度も行ってきましたが、毎回何らかの失敗をしています。「3度」というのも、同じ敷地で3度ということであって、それだけ、家づくりは難しく、奥が深いものなのです。ですから、成功も失敗も含め、より多くの経験や体験を持った人の意見が、よきアドバイスとなるのです。
家相連載

小池 康壽
家相とは「迷信」だけではなく「理にかなう考え」もあるものです。本当に良い家を建てるための「現代的な家相学」をわかりやすく解説します。